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「想い」を大事にする人事評価制度導入の取り組み例

「人事評価制度」というと、どういうものをイメージされるでしょうか。

複雑、賃金を決めるもの、活動のモノサシ、細かい基準があって、点数があって・・・と、とにかく人事上の「制度」としてのイメージがついてまわると思います。
しかし、人事評価制度には根底に忘れてはならない大切なものがあります。それは、人事評価制度の目指す先に、会社や社員の目指す姿があるということ。つまり、社長の「想い」が文章になっているということです。
 
最近、次のようなことでお悩みの三社様と、「人事評価・賃金制度構築」のテーマでお付き合いが始まりました。
 
新車ディーラーA社は、経営理念や人事評価制度、賃金制度がなく、給与の決定根拠を欠いており、社員を集めた会議は数字の確認と報告のみ。「理念」と「評価」がないことで、社員が目指す姿などは不鮮明・・・。社内に無駄が多いのではないかとお悩みでした。その改善と、給与を客観的な決め方にしたいとご要望でした。

また、自動車販売・整備業のB社は、以前、外部の専門家に依頼し、詳細な人事評価制度と評価基準をお持ちでしたが、販売、整備車検、鈑金、保険、事務など、職種の多さと、経営理念の不鮮明さなどから、自社にあった運用ができていないことがお悩み。社長による主観的な人事評価を変えたいとご要望でした。

整備業C社は、職人気質の社員の方々によって業務が進められていましたが、社長と価値観がそぐわず、組織の和を乱す問題社員がいたり、助けあう思いやりが少なく、協調性が低い状態。さらに計画を立てずに作業するなど、効率の悪さにお悩みでした。社内の協調性を高めて、かつ計画的に動き、効率を上げたいとご要望でした。
 
これら三社様の中から、新車ディーラーA社様を取り上げます。

この企業様は、地域ではもう五十年近い歴史があります。最近は拠点数も増え、事業拡大し、人員も増え始めています。今までは、経営理念を特段明確にせずとも、モータリゼーションの波に乗り、粗利や台数目標をひたすら追いかけて、着実に顧客基盤を増やして経営を進めてきました。しかし、昨今、市場環境の悪化もあり、経営は厳しい環境に置かれていました。


そのような状況の中で業績を伸ばしていくには、やはり社員を育成し、強力な戦力になってもらわねばなりません。

しかし、社員を業績で管理しようとしても思うようにはいかず、何を目指させるべきか不鮮明で、協力体制ができておらず、無駄が多いのではとお悩みを抱えていました。

どんな組織でも、社員は「人」であり、「人」には様々な価値観があります。頭で考えるほど簡単には、社員は成長してくれません。そんなときに最も大切なのが、経営理念であると我々は考えます。
社員それぞれの価値観は決して縛ることはできませんが、経営を進める上では、当然ながら同じ目的を共有し、会社が目指したい姿に共感してもらわなければなりません。

そこで、この企業様は、会社がどうありたいか、まずは経営理念を明確にし、さらに徹底的に掘り下げて理念の解説書を作成しました。そして、社員にこんな人材になって欲しいという「想い」を、目指すべき最高の人材像という形で明文化しました。

社員は忙しい毎日を過ごしていましたが、業務終了後や、時には休日に集まってもらい、それを読み合わせ、感想を言い、理念を実現するために必要な行動や振る舞いをディスカッションしました。

 

そして、その行動や振る舞いを継続的に行うほど評価が上がる仕組みの人事評価制度を、現在導入中です。評価基準が明確になれば客観的な人事評価ができ、給与も決めやすくなると期待しています。


今では、A社様に伺うと、明らかに社員の方たちの顔つきは違いますし、皆さんが連携しつつ自主的に動こうとしているのが分かります。確実に理念が浸透してきて会社の雰囲気が明るくなっています。


多くの社長様が求める「人材の成長」。実際に、どのように成長してほしいかお話を伺うと、技術を高めてほしい、営業数値を上げてほしい、という経営改善の直接的なご要望も確かにありますが、まず最初に出てくる多くのキーワードは、人格向上です。多くの社長様は、社員をわが子のように考えられます。仕事を通して人格向上し、社員やその家族に幸せになってほしいという「想い」をお持ちです。
 
しかし、人格向上は決して容易ではありません。また、何をもって人格が高まったのか、という定義も人それぞれです。大切なのは、社長様がどのように考え、社員にどういう人材になってほしいのか、その「想い」をまずは、明確にしてあげることではないでしょうか。そして、その「想い」を理解し、それを目指したくなるような仕組みとして、人事評価制度を作ってみてはいかがしょうか。
 
経営理念を軸にし、「想い」を大事にした人事評価制度の導入を、私どもはこれからもお手伝いして参ります。


マネージャー 杉本 利雄

マネージャー 杉本 利雄 Sugimoto Toshio

店舗の現場経験を経て、人事・労務、総務、法務等を担当する管理部門のマネージャーに。
人事制度構築・運用や労務環境の改善にも精通し、その実務能力の高さが評価されている。
社会保険労務士の資格を保有する人事労務コンサルティングのスペシャリスト。


★大事にしているキーワード 「熱意、粘り、確信、公平性」

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