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基盤顧客からの案件発掘「基盤代替アプローチ」

最近、繁盛期と閑散期の垣根がなくなったと言われていますが、その環境下でも、この4-5月の閑散期は販売台数も伸び悩み、苦戦を強いられている企業様も多いのではないでしょうか。

一方で、この閑散期でも、販売台数を前年比で大幅に増大させている元気な企業様も存在しています。何が違うのでしょうか?それは、基盤顧客から、乗り替え検討される案件を安定的に確保されているからです。この課題解決こそ、自店の将来を約束する重要なテーマです。

 

今回は、基盤代替で大きな成果を出された整備業のA社様の事例を交えながら、効果的な基盤代替アプローチをご紹介いたします。

「総受注数は月平均25台、前年比1.3倍増。基盤からの受注は1.5倍増。」 

まず、どのような場合にお客様は、自社で車を乗り替えていただけるのでしょうか?
ひとつは、「乗り替えを検討しているときに、他社よりも魅力的なメリットがある」場合です。当たり前ですよね。ただし、お客様が乗り替えを検討するタイミングは様々です。もちろん情報収集を繰り返していけば精度は高まりますが、すべてのお客様の代替検討時期を正確に把握するのは不可能です。

 

よって、基盤代替を増やすひとつ目のポイントは、「定期的なアプローチで顧客接点を増やす」です。
このアプローチは、お客様が「乗り替えたい」と思うタイミング逃さないことが重要です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実はこのポイントを徹底できている企業様は多くありません。

「車検~次回車検まで14回の顧客接点」

A社様は、ほぼ車販の取り組みがない状態から、8年間かけて地道に改善を続け、お客様との接点を作り続けました。

 

車は、家に次ぐ高額商品。車販売をやっていることすら知らないお客様が多い中、少ない接点で簡単には車の購入は決めていただけません。そこでA社様は、地道に顧客接点を増やし続け、自社が車販をやっているという認知を広め、今では月平均25台の販売を実現しています。今現在A社様は、お客様が車検入庫してから次の車検までの2年間で14回の顧客接点を作っています。

車検実施から2年間が営業活動。お客様の「乗り替えたい」タイミングを逃さない。

車検出庫時の車販啓蒙、6ヶ月点検、12ヶ月点検、繁盛期前の一斉DM送付、イベント等々・・・、車検6ヶ月前~車検までは毎月アプローチします。すべてが車販のアプローチではありません。お客様と多頻度に接点を持ち、お客様が「乗り替えたい」と思うタイミングを逃さないことが重要なのです。この活動をやり続けられる企業様は必ず成果を出せます。

 

さて、「定期的なアプローチで顧客接点を増やす」重要性はご理解いただけたと思いますが、「いやいや、たくさんアプローチすればいいってものではないでしょ」と思いますよね。その通りです!お客様が自社で車を乗り替えるのは「乗り替えたいタイミングで、他社よりも魅力的なメリットがある」です。ただタイミング良くアプローチすれば良いわけではなく、「他社よりも魅力的なメリット(=自社のメリット)」がなければ乗り替えていただけないのです。

 

よって、基盤代替を増やす2つ目のポイントは、「自社で乗り替えるメリットを明確にする」です。 

 

中古車は一物一価と言いますが、新車や未使用車は車自体はどこで購入しても同じ商品が手に入ります。 お客様が他社ではなく、自社で乗り替えることのメリットを明確に答えられますでしょうか?

彼(敵)を知り、己を知れば百戦殆(あやう)からず!「孫子の兵法」

A社様は他社との差別化が図りやすい中古車から車販事業を始め、新車・未使用車の販売を加えることで大きく飛躍しました。
特に未使用車販売を始める際に行ったことが、徹底的に他社を知り、自社の強みを明確にすることでした。競合になる大量在庫を持つ未使用車専門店様の複数の見積りを入手し、1件1件、どのような魅力があるのか、自社は何で勝てるかを考え、考え抜いた末、4つの結論を出しました。

①大量仕入をしないため、売残り分のコストが不要

②自社は基盤顧客が多く、大量の新規チラシが不要

③お客様の望まないメンテパックなどは勧めない

④カーリンクの「委託販売」で下取価格が高い

「他社より販促コストが安く、お客様の望まないメンテパックは付けない事で安く販売できる。
委託販売で、お客様の愛車を高く買取ることができる。」

このメリットを基盤顧客向けのDMにわかりやすく訴求し、商談発生時にはどのようなトークをするのかを全て標準化されました。
「自社で乗り替えるメリットを明確にした上で、定期的なアプローチで顧客接点を増やす」ことで、お客様の乗り替えたいタイミングを逃さずに、自社で乗り替えるメリットを訴求し、劇的に基盤客からの商談数が増え、月平均25台の販売を実現されました。

<基盤代替アプローチを継続するポイント>

 

①経営者が「基盤客から案件を増やす」方針を打出す

自社が勝ち残るには、基盤から案件を増やすことが最重要と確信され、この取組みは、長期戦だと覚悟し、方針を絶対に変えないこと。現場責任者と相談し、最適な方法を取り入れ、成果が出なくても現場に責任を問わないこと。「とにかくやってみる」という風土を作ることが大事です。

 

②オペレーションを簡単かつ明確にする

すべて全ての活動を、「誰でも」「抜け漏れなく」「一定品質以上」で実施できる状態を作ることが重要です。
A社様では、例えば出庫時のアプローチはファイルを作り、順番に説明すれば一定の品質となる状況を作りました。

いかがでしょうか。「基盤代替を増やす」という重要な経営課題に対するひとつの考え方として、この「基盤代替アプローチ」をぜひお試しいただいてはいかがでしょうか。

カーリンク事業部 部長 岩根 弘和

カーリンク事業部 部長 岩根 弘和 Iwane Hirokazu

2004年に大手経営コンサルタント会社入社後、自動車販売店の現場でマネジメント業務を経験、その後、委託販売のカーリンクチェーンのSV部門のリーダーとして活躍。

自動車整備業の車販強化指導に定評があり、基盤顧客からの車販ニーズの発掘活動や代替率改善による業績改善成果を次々と実現する。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車整備販売業に対して幅広い支援実績を持ち、オールマイティーにハイレベルのコンサルティングを展開している。

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